特別講座『からだで語る物語の世界』(からだこえことばのWS)-18


やっと穏やかな天気になりましたね。標高900メートル、山頂のロッジで行われたワークショップも、お日様の温もりに恵まれ、無事に二泊三日のレッスンを終えることが出来ました。今回は、宮沢賢治童話『雪渡り』をテキストに、「からだ」と「ことば」の『ひとつ』のところへと、レッスンは進んでいきました。
「からだ」は、触れたり掴んだり押したり引いたり叩いたり・・・と、具体的な手ごたえを持った世界に在るものです。
「ことば」は、、、「こころ」は、と言いかえても構いませんが、思いや考えという外からは見えない、手に取って弄りまわすことのできない、想像や記憶の世界。抽象的な世界です。
「こころ(ことば)」が「こころ(ことば)」に建てた壁を超えて、「からだ」が「からだ」に建てた壁を超えるとき、喜びに満ちた『いまここ』の姿があらわれます。
「からだ」と「こころ(ことば)」の世界の分離と、そこに生まれる葛藤が苦しみの元なのですから、その別れる以前、無限と一との『ひとつ』になる地点『いまここ』に還れば良いのです。
そんな地点に向けて、3日間のレッスンは進みました。最終日に小さな舞台を立てての朗読会。狐の幻燈会に招かれた、幼い弟妹と子狐たちとの素敵な交流を、みんなで語りました。「キックキックトントンキックトントン」狐と子供が雪の野原を踊ります。人間と動物という区別を超えた、温かな柔らかい感動がその場を満たしました。
今週末には、『野口体操』(11/11)と『物語り』(11/12)のワークショップです。野口体操は「からだ」からの「いのち」へのアプローチ。物語りのレッスンは「ことば」から「いのち」へのアプローチ。『からだとことばといのちのレッスン』をお楽しみください。
(せとじま・ばん)


◇日時 2017年11月12日(日)13時00分~19時00分
◇場所 新宿区大久保地域センター3階和室(JR新大久保駅徒歩8分・地下鉄東新宿駅徒歩7分)
◇定員 6名
◇参加費 11,000円



私は宮沢賢治の「ことば」に魅せられて来ました。
ことばのもつ独特の響き、リズム、音色。そしてそれらが私たちの「からだ」を通して語られるとき、いのちとしての自然の織りなす世界が、私たちの目の前に展開されます。
賢治童話は眼で読むだけでは、その素晴らしさに触れることが出来ません。それは彼がその妹や弟に読み聞かせることを前提として書かれたものだからでしょう。
野口体操で「からだ」をひもとき、竹内からだとことばのレッスンで「こえ」と「ことば」をひらき、賢治作品の世界イメージとの出会いを深めていきます。
ことばを語ること、声を発すること、仲間とからだ全体での響き合うこと。それらの「喜び」を体験してみたいと思う方は、どなたでもどうぞいらして下さい。
(せとじま・ばん)


◇申込み メールまたは電話にて、お名前・連絡用電話番号をお知らせください。
・メール karadazerohonpo@gmail.com
・電話 090-9019-7547(瀬戸嶋)
◇その他 当日はからだを締め付けない動きやすい服装を用意してください。(G パン・スカートは不向きです)
◇WSの内容については、人間と演劇研究所ブログをご参照ください。
・ブログ http://karadazerohonpo.blog11.fc2.com/